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令和2年9月19日付けの山陰中央新報に掲載された松江市ガス局に関する記事について、当局の見解は以下のとおりです。

  1.  「労働政策研究・研修機構2012年度(東京都)によると、2012年度にあった全国のあっせん事案853件のうち、雇用主側が弁護士を立てたケースは37件(4.7%のみ)」との記載について
    【結論】
     記事に記載された件数は個別労働関係紛争の件数であり、当局が対応しているのは集団的労使紛争であることから、比較の対象とすることは適切でないと考えます。
    【理由】
     記事に記載されている件数は、同機構(JILPT)が2015年に作成した、「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」と題する調査を引用したものと思われます。
     しかし、同調査におけるあっせん事案というのは、本件(松江市職員ユニオンガス支部が島根県労働委員会に申請した斡旋事案)のような労働組合と使用者との間の集団的労使紛争を対象とした、都道府県労働委員会が行う労働関係調整法(昭和21年法律第25号)に基づく斡旋手続(同法12条以下)を指すものではありません。ハラスメントや解雇等、個々の労働者と使用者との間の個別労働紛争を対象とした、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成13年法律第112号)に基づく、都道府県労働局あっせん手続を指しているものです。これは、1回の手続で終結する簡易な手続のことであり、当局が対応している事案とは全く別個のものですから、比較対象として適切とはいえないと考えます。

  2. 「相場の5倍」「日本弁護士連合会(同)の09年の調査では、類似事案で中小企業が弁護士に支払った着手金は平均24万円だった」との記載について
    【結論】
     当局が対応しているのは集団的労使紛争であり、類似事案であるとの指摘は事実誤認であると考えます。
    【理由】
     日本弁護士連合会の上記調査が、具体的に何を指すのかが明らかではありませんが、仮に「アンケート結果に基づく中小企業のための弁護士報酬の目安」と題する文献に記載されているアンケート調査を指しているのであれば、アンケート調査の対象とされた事例は、懲戒解雇の無効を理由とする労働仮処分手続又は労働審判手続であり、前述した個別労働紛争です。その上、仮処分及び労働審判のいずれの手続も、短期間の審理で終結するのが通常です。
     本件のような、当局と労働組合との間における集団的労使紛争とは、事案及び手続が全く異なっています。本件記事が、もし上記文献記載のアンケート調査を引用しているのであれば、「類似事案」であるとの指摘は事実誤認であり、前記1のJILPT報告の誤った引用とも相俟って、読者へのミスリードを招くおそれがあると考えます。

  3. 「市が行政職員として採用した常勤の「法務専門官」に依頼すれば費用を支払う必要はなく」との記載について
    【結論】
     当局の支出は妥当であると考えます。
    【理由】
     松江市の「法務専門官」は、職員からの日常的な法律解釈などの相談を受けることを主目的としており、当局においても、日常的な法律解釈などの相談は「法務専門官」にお願いする場合もあります。
     しかし、個別事案への対応については、顧問弁護士に別途依頼して対応することとしており、このような処理方法は当局のみが特別に実施しているものではなく、他の組織においても一般的に行われているものであることから、必要な費用だと考えております。

 

以上指摘しましたとおり、本件記事は、労働事件の紛争処理手続等に関する誤った事実認識及び根拠に基づく記載が含まれているものであると考えます。

当局は、日頃専門的知識を習得する中で、常にあらゆる法令を遵守し、安定した都市ガス供給の継続を最優先に、都市ガス事業の経営を行っております。
今後も引き続き、都市ガスユーザーの皆様をはじめ、市民の皆様のために、安心・安全はもとより、効率的な都市ガス事業の経営に努めてまいります。

以上